| 米関税システム |
現行の関税法は 1930 年の関税法( Tariff Act of 1930 )が基本となってその後、種々の通商法などで修正を受けて来ているが、米国法典の第 19 編 ・ 関税( Customs Duties )として整理されている。 また、 1993 年に成立した関税近代化法に拠り順次電算化が進んでいる。
関税システムに関しては米国関税率表の一般解釈 (General Notes: GN) に記載されているほか、個々の商品の関税率は国際貿易委員会のデータベース
*1 から、税関 ・ 国境関税局( CBP )の決定
・ ルール ・ 関税規則案
・ 一般通知などの情報は CBP のウェブサイト
*2 から入手可能。
* 1 http://dataweb.usitc.gov/scripts/tariff2004.asp
* 2 http://www.customs.ustreas.gov/xp/cgov/home.xml
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| 関税率 |
一般税率、特別税率、法定税率の 3 本建てとなっている。
(1) 一般税率: 最恵国向け税率。 日本も当税率が適用される。
(2) 特別税率: 特恵措置が適用される国、輸入品に対する税率。 詳細は「特恵等特別措置」の項目参照。
(3) 法定税率: ラオス、キューバおよび北朝鮮の 3 ヵ国に対して適用される税率。旧来は共産圏諸国向けの税率であったが、対象が徐々に減り 2001 年末にアフガニスタンとベトナムも除外され適用国は上記 3 ヵ国のみになった。
連邦政府機関の米国際貿易委員会( United States International Trade Commission )では、従来の複雑な関税制度を簡素化し、 HTS ( Harmonized Tariff Schedule )と呼ばれる統一関税一覧を策定、適用するために、 HTSA ( Harmonized Tariff Schedule of the United States Annotated )を編纂。その中で、品目分類とそれぞれの品目説明、一般税率、輸入量(個数)制限、特別税の有無および税率、その他の留意事項を公表している。関税一覧を策定したのは米国際貿易委員会( USITC )だが、現場での裁量権は国土安全保障省傘下の CBP ( U.S. Customs and Border Protection )に帰属する。
2005 年からの HTS では、従来6ケタだった基本品目分類番号を4ケタに変更し、その4ケタ番号の後に、詳細分類ごとの2ケタと4ケタの拡張コードで品目種類を規定する。例えば、 HTS 第 15 節 72 章( SECTION 15 Chapter 72 )では、「銑鉄」の基本品目分類コードが「 7201 」と決められており、その銑鉄が合金ならば「 7201.50 」に絞り込まれ、それがさらに鏡鉄(マグネシウムとの合金)なら「 7201.50.3000 」となる。
このように、 HTS には、第1節( SECTION I: LIVE ANIMALS; ANIMAL PRODUCTS )1章 〜 5章、第2節(野菜)6章 〜 14 章、そして第 22 節 98 章 〜 99 章まですべての品目がコードごとに列挙されている。
この詳細は、 USITC ( http://www.usitc.gov )のウェブサイト内「 Tariff Information Center 」( http://www.usitc.gov/tata/hts/bychapter/index.htm )に掲載されている。
また、任意の品目の税率を調べる場合には、既述のデータベースで調べることも可能。同データベース「 2004 U.S. Tariff and Trade Data for a specific product ( http://dataweb.usitc.gov/scripts/tariff2004.asp )」には空欄があり、その空欄に品目名を入力し、「リスト ・ アイテム」ボタンをクリックすると、該当する品目群が羅列されたサイトページに移り、そこで該当する詳細説明を特定し、「ディテイル」ボタンをクリックすれば適用され る関税の種類と税率が分かる。
関税の種類
品目により従価税、従量税あるいは併用税となる。
課税基準
輸入量と輸入 FOB 価格を基準に課税。 |
| 課税方法 |
輸入貨物の輸入量 ( 重量、体積、あるいは個数 ) と輸入価格( FOB 価格)を基準に、輸入者が関税率表に基づき自己申告で納税する。品目によって、従量課税、従価課税、あるいは併用課税が適用される。
FOB 価格が米ドル以外の ( 外国 ) 通貨建ての場合、船荷証券記載の輸出日時点の公定換算レート(四半期ごとに発表される)を使用するよう規定されている。また、特殊関税としてアンチダンピング関税や相殺関税があり、商務省の決定に基づき、その都度定められた関税率が適用される ( 関税率表は輸入貨物の HS 分類に従って構成され、毎年 1 月 1 日付で改訂される ) 。
輸入時に輸入者が納入する関税は予定納税( Estimate Duty )であり、 1 年以内 ( 通常は 4 ヵ月以内 ) に税関から通知される確定関税との差異があれば、この差額分が徴収もしくは還付される。これを関税清算 (Liquidation) と言い、この決定に不服を唱えることも出来る。
対日輸入適用税率
一般税率(最恵国税率)
米政府が日本からの輸入品に適用する関税率は最恵国待遇(米国の敵性国家ではないと見なされる国に対する措置で、実質的には米国との正常国交が確立されている国)の税率。しかし、米国内の産業から調査要請や抗議が持ち込まれる場合、必要に応じて米国際貿易委員会( USITC )や米税関 ・ 国境警備局( CBP )、米通商代表部( USTR )、商務省が対処に乗り出すことになる。
例えば、 CBP は 1988 年2月以来、日本からの輸入に関係する 5941 件の調査を実施し、判定を下してきた。直近の調査例では、 2004 年 12 月 17 日の「 The tariff classification of Benzophenone Imine, CAS # 1013-88-3, imported in bulk form, from Japan (日本から大量輸入されるベンゾフェノン ・ イミンの関税分類、判例番号 1013-88-3 )」というものがある。ベンゾフェノン ・ イミンは、無色芳香剤に使用される化学物質。同件は、イリノイ州にある化学会社(オースティン ・ ケミカル ・ カンパニー)の問い合わせを受けたもの。同社では、ベンゾフェノン ・ イミン が医薬物質に分類されるのか、あるいは別の品目に分類されるのかの判定を CBP に仰いだ。
調査の結果、 CBP では、ベンゾフェノン ・ イミンを化学的試薬剤の「アロマティック(芳香剤):その他、その他」と判定。既述の HTS に基づくと、品目分類番号は 2925.20.6000 になる(アロマティックが 2925 、その他が 20 、その他が 6000 )。その結果、関税率は従価税( ad valorem ) 6.5 %と決められ、 2005 年も同率が適用されることになった。 CBP は同件について 19 CFR 177 (行政府の裁量権による判定に関して規定される行政命令第 17 条 177 項)に基づいて判定を下した。
CBP が下す判定の詳細は CBP のウェブサイトにある関税判定オンライン ・ サーチ( http://rulings.customs.gov/ )で検索できる。同サイトページの空欄にキーワードを入力することで、該当する輸入品が関与した調査案件および判定内容を見つけだせる
特恵等特別措置
米国が特恵条約、米国内法等により特恵等特別措置をとることを認めている相手国や輸入品に関するプログラムは、一般特恵関税制度( GSP )、北米自由貿易協定( NAFTA )、米国 ・ カリブ海貿易法など下記のとおり。 |
| 関税以外の諸税 |
特定商品にかかる内国消費税や港湾維持料などを、税関が関係官庁に代わって徴収するほか、税関使用料等が課せられる。
関税以外に、税関がほかの官庁に代わって徴収する諸税や手数料には以下がある。 |
| 関税以外の諸税 |
次の品目には関税以外の諸税が課され、輸入者が納税義務を負う。
トラック、バスおよびその部品、付属品
タイヤ、チューブ
ガソリン、石油製品
スポーツ用品、火器類
アルコール飲料、香水
タバコ製品
特定の化学物質 |
| 内国消費税 |
次の輸入貨物に対する内国消費税は、税関が内国歳入庁( IRS )に代わって輸入時に徴収する。
ビール
ワイン(日本酒を含む)
発酵酒
エチルアルコール
アルコール飲料
香気性物質を含有する飲料
( アルコール量が 0.5 %以上で、一定のアルコール重量を含むもの )
タバコ製品 |
| 商業貨物税関 |
下記の免除貨物を除くすべての貨物(関税無税品を含む)に対して、税関の使用料が徴収される。
(1) 現行手数料率 (1995 年改正 )
輸入申告額( FOB 価格)の 0.21 %(最低 25 ドル 〜 最高 485 ドル)。ただし、 NAFTA 実施法により、カナダの原産品は無料、メキシコは 0.19 %に軽減 ( 最低 21 ドル 〜 最高 400 ドル)。マニュアル(非電算化)申告はこれに 6 ドル追加。
(2) 手数料免除貨物
米国関税率表第 98 類の減免税品目(一部例外あり)
米国属領 ( グアム、米領サモア、ヴァージン諸島、プエルトリコ ) 産品
後発開発途上国産品
カリブ海諸国経済復興( CBI) 対象国 ・ 地域産品
イスラエルとの自由貿易協定対象産品
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| 港湾維持料 |
港湾浚渫費用を賄うため、 1987 年以来徴収されている(陸軍工兵隊に納付される)。輸出 ・ 輸入 ・ 国内貨物などに拘わらず徴収されるが、輸入貨物に関する現行料率は 1991 年以降輸入申告額 (FOB 価格 ) の 0.125 %となっている。
( 出所:「米国の関税 ・ 輸入通関制度」寺田 一雄著 )
その他
関税払戻、減免税措置、一時的な免税輸入
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| 関税の払戻減 |
1 .関税払戻( drawback )
貨物を米国から再輸出した場合、輸入した際に支払った関税、内国消費税の 99 %を、原則として輸入者からの申請に基づき払い戻す制度。ただし、反ダンピング税や相殺関税は対象外。( 19USC1313 ) 適用対象は次のとおり。
(1) 同一状態での再輸出および破棄貨物
3 年以内に再輸出、または税関監視下で破棄された場合
(2) 違約品
契約上の見本、使用に合致しない物品、受荷主の合意なく送られてきた貨物で、 90 日以内に税関の管理下に戻され、税関の監督下で再輸出された場合
(3) 製造貨物
輸入品の一部または全部を用いて米国で製造された物品が、輸入後 5 年以内に再輸出された場合
(4) 代替貨物
輸入貨物と同種類の国内品または関税支払品を用いて、輸入後 3 年以内に製造もしくは生産し、 5 年以内に輸出した場合
2 .減免税措置
輸入時に一定の条件を満たしている場合には関税対象品目であっても当該関税が減免される。主な規定は下記のとおり。
(1) 米国関税率表第 98 類は、無条件減免税あるいは税関ボンド差し入れのもとでの特定減免税が適用される輸入事例を 20 項に分類、規定している。例えば、船積用のコンテナー、米国政府機関の購入品、在米外国政府 ・ 国際機関の輸入品、商品見本、米国水産業者による水産物、ボンド差し入れによる展示品や一時輸入品、など。
(2) 再輸入品
米国から輸出され、再輸入される貨物は、外国において加工、組立等により付加価値が付くか否かで分類が異なる。原則として、貨物が輸出時の状態で戻ってくれば免税。外国で付加価値が付けば、付加価値分だけが課税され、減税扱い。
(3)ATA カルネによる一時的な免税輸入
ATA カルネとは、 ATA 条約(物品の一時輸入のための通関手続きに関する通関条約)加盟国が、一時的な免税輸入が認められている特定物品(商品サンプル、広告資料等)に対して、通常の一時免除の輸入に必要な申請書類および税関担保に代わって使われる国際的な通関書類。 ATA カルネに関しては、日本で発給 ・ 保証事務を行っている国際商事仲裁協会のウェブページに同制度の概要がある。
http://www.jcaa.or.jp/carnet-j/c-index.html
(4) 外国貿易地域 (Foreign Trade Zone )に搬入される輸入品
1934 年外国貿易地域法に基づき外国貿易地域( Foreign Trade Zone: FTZ )が設けられている。 FTZ に搬入された商品、貨物は無期限の蔵置が認められ、通関手続きや関税ボンドの供出を免除 ・ 延期されるが、この措置は FTZ 内で組立、加工、再梱包の上、米国以外に再輸出されることが前提となっている。
http://www.jetro.go.jp/biz/world/n_america/us/trade_03/
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| 関税率問合せ先 |
国際貿易委員会
http://dataweb.usitc.gov/
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